「借金」のイメージを聴くと、「怖い」「借金は悪」「破産する」などネガティブにとらえている日本人は、かなり多いと思うんですね。
以前の僕もそうでした。でも、今であれば遺産相続などにより手元に現金を持っていない方で早く成功したいのであれば、「借金した方が良い」という考えに至っています。
この記事では、「借金は「悪」は間違い!?富裕層や経営者が実践している借金戦略とは」という、借金に対する考え方を解説していきます。
借金と一言で言っても、2種類ある
まず誤解なくお伝えしたいのは、借金と一言で言っても「良い借金」と「悪い借金」、この2つがあるということはご理解ください。
僕がオススメしているのは、当然、前者の「良い借金」の方です。
「悪い借金」の例でいえば
・全く返せる見込みや見通しがないのに、知人や友人にお金を借りるパターン
・競馬やパチンコなどギャンブル性の高いものに「絶対勝てるから貸してくれ!」というパターン
・年収に不相応な住宅ローンや車のローンを組んでしまうパターン
このようなものは、「悪い借金」の典型例です。
事業が安定しているのはどっち?
「無借金経営が良くて、借金経営が悪い」という風潮がありますが、果たして本当にそうでしょうか?
1つの事例をご紹介します。
Aさん(無借金経営)
預貯金 100万、借金 0円
Bさん(借金経営)
預貯金 1100万、借金 1000万
仮に固定費として、二人とも月50万~80万ぐらい使う事業をやっている場合、どちらの人が生き残りやすいでしょうか?また、コロナのような不測の事態が行った時にどちらの方が生き残りやすいでしょうか?
・・・ Bさんですね
ですよね。つまりこのケースに関しては、借金をしている人が事業を継続できる確率が高くなり、借金をしていなかった方が事業の存続が厳しいことになります。
確かに!ホントだ!
事業が継続できなくなるのは、何も借金をしているからではありません。現預金(キャッシュ)がないから、積極的な投資や固定費が支払えなくなって、事業が継続できなくなるんです。
フリーランスなどの個人事業主の方の現預金がなければ、
・コンサルや顧問のような経営アドバイザーに投資ができない
・事務や営業を代行することにお金が使えない
・お金がないことでの不安なこと(精神的負担)が強くなる
・広告宣伝費に投資ができないから事業が加速しない
という悪循環が生じるのです。
ビジネスにおける「キャッシュ(現金)」とは、人間で言えば、「血液」に当たります。
血液がしっかりと循環していれば生きることは可能ですが、その血液が滞ったり、正常に循環しなければ、生きていくことはできません。
もし、あなたが今お金が手元に少ない&少なくなりそうであれば、金融機関や政府系の銀行とも言われる日本政策金融公庫などに融資を受けにいくことを強くオススメします。(難しい言葉で言うと、デッドファイナンスと言います)
また、融資以外の方法としては、「投資家から資金調達する方法」があります。
これを「出資(エクイティファイナンス)」と言ったりしますが、出資の場合は、基本的には、「毎月、投資家に売上の〇%が入ってくるようにする」とか「株の〇%を放出する」などの条件で出資されることが多いです。
そのため、融資を受けられる環境であれば、融資を優先で行うことをオススメします。
現預金が少ない状態でビジネスや起業で危険!
インターネットを見ていると、「無料で300名集客した方法!」とか「5万円の投資で80万の受注を獲得した!」など、そういう話が沢山あります。
確かにウチでもそういう事例は複数あります。
しかし、これらの話はバックボーンがあっての話なので、いきなりビジネス初心者の人に起こる可能性は限りなく低いです。
ハッキリ申し上げておくと、10万~50万ぐらいの手持ちで、どうにか月数百万の収入を得ようとする人が多いですが、よほど気合を入れない限り、不可能です。
そのため、これから起業を考えている人に関しては、焦らなくても良いので、「今の固定給を得つつ、空いている時間を全て自分のビジネスに費やしてください。
その上で、しっかりと資金が増えた状態で、より資金を増やした状態でビジネスが継続できるようにしてみてください。
借金をすることで大幅に時間短縮をし、チャンスをつかむことが可!
仮に、あなたが「軍資金で300万貯まったら、ビジネスをやる!!」と決めているとします。
現時点で100万円の現預金を持っていたとしても、300万円にするためには、残り200万が必要です。
例えば、月5万ずつの貯金をしていった場合、200万を貯めるためには、「40カ月(3年と4カ月)」かかります。
しかし、あなたのやりたいことを「今から3年後」にやるとしたら、ビジネスの状況が大分変わっている可能性があります。
そして、もしかしたら、あなたがやろうとしていることが3年後、その分野の市場にライバルが沢山参入してきて、激化しているかもしれません。
借金をするというのは、その約3年と4カ月の貯金をする年数を一気にすっ飛ばし、目の前のチャンスを素早く掴む方法になるとも言えます。
融資を受けられる(借金をする)条件に該当する人は、「融資を受けられる権利を持っている」ということですので、上手に活用することをオススメします。
ちなみに、融資を受けやすい条件は、
・事業を継続的に行う意思があり、借りる目的な明確なこと
・国税、県税、市税などの税金を滞納していないこと(該当している方は不可です)
・頭金80~100万以上あること(このぐらいあると、100万~300万までは受けやすい)
・既にメディア(新聞やテレビなど)に掲載さされている
など、複数ありますが、まずは上記の3点は覚えておくと良いでしょう。
確かに普通に200万を貯めるのは凄く大変ですよね。。その期間をショートできるのはかなり大きいですね。
カッコいい言葉で言えば、借金=融資というのは「レバレッジ戦略」です。
自分の力では預金が100万だとしても、300万を借りることができれば、あなたの預金が400万になります。
預金が100万の状態でビジネスができるのと、400万の状態でビジネスが出来るのでは全然違いますよね。
不動産投資をされる方も、自分の現金だけで不動産を持つことができないケースが多いため、金融機関や住宅金融支援機構の力を活用し、レバレッジを利かせて、不動産を持って賃貸経営を行います。
経営者や富裕層と呼ばれる人達は、このように金融機関や公庫などを上手に使って、現預金を増やしながら、素早く事業や資産を大きくしていっているのです。
良い借金とは
一言で言えば、「事業や収入を加速させるため」や「事業の安定性を得るため」にするものです。
例えば、「広告宣伝費をかければ、事業が加速させられる!」ということが分かっていても、あなたの手元に現預金がないことには、中々思い切った投資はできないですよね。
それこそ、上記の例でも挙げた
Aさん(無借金経営)
預貯金 100万、借金 0円
Bさん(借金経営)
預貯金 1100万、借金 1000万
このケースの場合、Bさんの方が使えるお金が多いため、積極的に色んな施策を打つことが可能です。
例えば
・コンサルや顧問のような経営アドバイザーに投資をする。
・事務や営業を代行を活用し、工数の現象及び販路拡大に繋げる。
・広告宣伝費に投資をして、積極的に新規の開拓を行う
・お金の心配をせず、経営をする。
など、キャッシュの多さは、自身の心のゆとりに比例します。
仮に思った以上に使わなかったとしても、余剰資金が通帳に入っていれば、凄く安心しますよね。
そして、不測の事態が生じたとしても、キャッシュが確保できていれば、慌てることなく対応することができます。
理想を言えば、「キャッシュが潤沢にある状態の無借金経営」が望ましいでしょう。
ですが、起業当初から、数千万円以上ある状態からスタートする方は、中々少ないですよね。
それであれば、まずは、無借金経営に経営に固執せず、借金をしてでもキャッシュを潤沢に持って、ビジネスを進めていった方良いでしょう。
借金をすることで金融機関に実績記録を残せます
いくらあなたが事業をやっていたとしても、確定申告書や決算書の記録、事業計画書を金融機関や公庫に提出して、融資を受けようとしないと、「実績記録」を残すことができません。
実績を残すことがしていなければ、金融機関への信用を蓄積していないため、あなたが不測の事態が出た時や借りたい時に、希望する金額をスムーズに借りることができません。
お金を借りたい時とは、「お金がない時、少なくなってきた時」に「借りたいな」という気持ちになることが多いですよね。
しかし、現実は悲しいことに、「お金が少ない時」や「お金がない時」に借りることができません。
何故なら、現預金が少ない時や収益が低い時期に貸す時というのは、貸し倒れリスクが高いからです。
回収できる見込み客の少ない人に貸して、もし回収ができなければ、金融機関は大変なことになります。
あなたも、もし誰かにお金を貸すのであれば、「お金を増やせそうな人=お金を稼ぐ力のある人」に貸したいですよね?
借金をするのは、お金がない時にするものだと認識している人が多いですが、実は「逆」です。
金融機関の性質を表す言葉として、「晴れの日に傘をさして、雨の日に取り上げる」という有名な言葉がありますが、
お金にゆとりがある時にこそ、融資を受けやすい状況なので、さらなる再投資や安心を得るために、キャッシュを増やしたい方は、融資を受けにいきましょう。
経営者が絶対に知っておきたい!融資の知識とは
まず、融資に関しては枠組みが存在しています。それは「一般枠」と「特別枠」になります。
一般枠と特別枠とは
「一般枠」というのは、「通常通りの融資枠」になります。
一方、「特別枠」というのは、災害やウイルスなどによって事業の売上が15~20%下がってしまった時に活用できる「セーフティネット4号・5号」や「危機関連保証などの特別枠の融資」になります。
そのため、一般枠の方で融資をギリギリ使っている企業さんも、特別枠を活用できるタイミングがあった際、万が一、収益が減りそうで資金繰りが厳しくなることが想定できるのであれば、できる限り、信用保証協会の方を使わないようにしたり、「特別枠」を残しておいて利用するといいと思います。
信用保証協会付とプロパー融資の違い
次に、融資の方法は
・信用保証協会付の融資
・プロパー融資
この2つがあります。(社債の発行や手形など細かい話はここでは割愛します)
大抵、創業して間もない個人や企業さんに関しては、この「信用保証協会付の融資」になることが多いでしょう。
この信用保証協会付の融資というのは、万が一、あなたが金融機関に返済できなくなったとしても、あなたの代わりに「信用保証協会が補填するから大丈夫だよ~」という融資になります。
つまり、金融機関にしてみたら、貸してもあまりリスクがない融資が「信用保証協会付の融資」だということです。
但し、あなたの借金が減る訳ではありません。
あなたは信用保証協会にしっかりと返済する必要があるので、その点は誤解のないようにしてください。
「信用保証付きの融資」を分かりやすい言葉で言ってしまうと、「まだあなたに貸すのはリスクがある&未知なので、保証協会付きなら貸せますが、どうしますか?」というものです。
そのため、ある一定の信用のある企業だと認められるためには「プロパー融資」で取引することをオススメします。
プロパー融資(通称プロパー)とは、「信用保証協会が付かない金融機関との直接的な融資」を意味します。
当然、保証協会付ではないため、金融機関側としては「本当にこの人に貸しても大丈夫だろうか?」「銀行側に損失が出ず、良好な関係を築けるだろうか?」など、その点をてくるため、審査ハードルは上がります。
しかし、一方で「プロパーで融資が受けられる」ということは、「金融機関から一定の信用された企業さんである」と言う意味にもなります。
そのため、プロパー融資での取引ができるように、しっかりと毎年の決算の状況を良いようにして、純資産を増やしていきましょう!
節税よりも納税を意識した方が良い理由
財務や税金の知識が乏しい方ほど、「どうやったら1円でも税金を払わなくて済むか?」ということを考えます。
確かに払わなくて良いものであれば、「1円たりとも無駄なものは払いたくない」ことは共感します。
ただ、「節税をする」ということは、「経費を使って利益を減らし、法人税を圧縮する」ということなので、現金が出ていくことを意味します。当然、現預金が出ていけば、純資産として残るお金は減っていきます。
もし、あなたが金融機関や公庫から効率良く資金調達をしたいのであれば、むしろ、節税に意識をせず、納税してください。
何故なら、「納税額が多い」ということは、「利益が多い」ため、銀行さんも「利益が多く残る企業なら安心して貸しやすい」からです。
こういった仕組みを経営者や起業家が知っておくか否かで、実際の経営の現場での余力が異なっていきます。
資金調達はどこからできるのか?場所を知っておく
資金調達方法というのは、今の時代、複数の方法があります。
例えば、クラウドファンディングで資金調達もできますし、エンジェル投資といって、スタートして間もない状況から投資家にプレゼンして資金調達をするもあります。
その他、王道のところでお伝えすると
・日本政策金融公庫
・金融機関(メガバンク、地方銀行、信用金庫)
・信用組合
・商工中金(但し、年商5億前後~の企業が対象)
などがあります。
基本的に、フリーランスの方や法人化して間もない企業さんは、日本政策金融公庫と金融機関からの融資をオススメします。
カウンセラー・ヒーラー業って元手要らないから借りにくい?
確かにカウンセラーやヒーラー、コンサル業というのは、一般的な事業と異なり、「仕入れ」が必要になるビジネスではないため、「何故、借入が必要なんですか?」という問いに明確に回答できるようにしておく必要があります。
ですが、融資の用途は複数あります。
例えば、「運転資金」で言えば
・事業を拡大させるための広告宣伝費
・税金の支払い
・家賃
・光熱費、通信費
・人件費
・消耗品
・(関係性があれば)余剰資金のため
などが該当します。
また、「設備資金」としては
・クルマ(社用車)
・事務所や土地などの賃貸物件を借りる、拡大する、買う、改修
・社内備品類(パソコン、OA機器、事務用品など)
などが該当します。
「運転資金で借りたいのか?」「設備資金で借りたいのか?」これは必ず明確にしておきましょう。
資金使途違反に気を付けよう!
稀にあるのが、「設備資金」で借りたにも関わらず、「運転資金」で使ってしまうと、「資金使途違反」に該当してしまい、一括で返済を求められてしまうケースがあります。
意図的でなかったとしても、銀行さんの信用を落とすことやキャッシュフローの悪化にも繋がってしまいますので、最初に借りた用途を忘れずに使っていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、「借金は「悪」は間違い!?富裕層や経営者が実践している借金戦略」についてお伝えしました。
資金調達をすると、今まで見たことのない金額が通帳に入ってきます。
そのため、気が大きくなってしまったり、本来使うはずのなかったものを、「えいやっ」と使ってしまう方もいらっしゃいます。
「大きなお金を動かす」ということは、人間力や器量が問われる、ということですね。
そういうことですね~、調子に乗らないことが大切です。
事業を安定&加速させる参考になれば幸いです。