「AI研修を実施したいが、ITに詳しくない社員がついていけるか心配」
「前回の社内研修で、一部の社員だけが盛り上がって残りは置いていかれた」
AI研修の導入を検討する企業の担当者から、こうした声は非常に多く寄せられます。
しかし結論から言えば、AI研修で「ついていけない社員」が出る原因のほとんどは、研修内容の難しさではなく、研修前の準備不足にあります。
この記事では、AI研修を提供してきた講師の経験から、研修前にやっておくだけで脱落者をゼロにできる5つの事前準備を解説します。
これからAI研修を初めて導入する企業の方にも、過去に「ついていけない社員がいた」という経験をお持ちの方にも、すぐに実践できる内容です。
なぜAI研修で「ついていけない」が起きるのか
まず前提として、AI研修は本来、ITエンジニアだけが対象のものではありません。
シンプルブランドの生成AI研修をはじめ、多くの法人向けAI研修は「初心者がゼロから学べる」ことを前提に設計されています。
それでも「ついていけない」が起きてしまうのは、受講者側の問題ではなく、研修を「実施する側」の環境づくりに原因があるケースがほとんどです。
具体的には以下のようなパターンです。
・受講者間のITスキル差が大きすぎる
普段からChatGPTを使っている社員と、スマホの操作もおぼつかない社員が同じ研修に参加すれば、講師がどれだけ配慮しても全員を同じペースで進めるのは困難です。
・「何をやるのか」が事前に伝わっていない
「来週AI研修があるから参加してね」だけでは、受講者は何を期待していいか分かりません。不安なまま参加すると、最初の10分でつまずいた時点で「やっぱり自分には無理だ」と感じてしまいます。
・機材やアカウントの準備が当日になっている
研修当日にChatGPTのアカウント登録を始めたり、Wi-Fiにつながらなかったりすると、それだけで10〜15分のロスになります。その間に「もうついていけない」と感じる社員が出ます。
つまり、研修内容を変えなくても、事前準備を整えるだけで「ついていけない」は大幅に減らせます。
研修前にやるべき5つの事前準備
準備①:受講者に「研修の目的」と「ゴール」を事前に伝える
研修の1〜2週間前に、受講者全員に以下の3点を伝えてください。
・この研修は何のためにやるのか(例:業務効率化のためにAIの基本を学ぶ)
・研修後にどうなっていればOKなのか(例:ChatGPTに1回質問できるようになる)
・IT知識や経験は不要であること(例:パソコンの基本操作ができれば問題ない)
特に3つ目が重要です。「自分にはAIは関係ない」「難しそうだから気が重い」と思っている社員の心理的ハードルを下げるのが、事前案内の最大の目的です。
社内メールやチャットで構いません。堅い文面である必要もありません。「難しい研修ではないので安心してください」の一言があるだけで、当日の受講姿勢が変わります。
準備②:アカウント登録とアプリのインストールを事前に済ませる
研修で使うAIツールのアカウント作成は、必ず研修の前日までに完了させてください。
研修でChatGPTを使う場合はOpenAIのアカウント登録、Geminiを使う場合はGoogleアカウントのログイン確認、Copilotを使う場合はMicrosoft 365の設定確認が必要です。
これを当日に回すと、ログインできない、パスワードが分からない、二段階認証で止まるなどのトラブルが発生し、その対応に時間が取られます。
事前に「このURLにアクセスして、ログインできることを確認してください」という1通のメールを送るだけで、当日のトラブルは激減します。
できればIT担当者が事前にテスト済みの手順書(スクリーンショット付き)を配布すると、さらに安心です。
準備③:受講者のITスキルレベルを事前に把握する
これはよく見落とされるポイントです。
全員を同じ研修に参加させる前に、簡単なアンケート(3〜5問で十分)で受講者のレベル感を把握しておくと、研修の進め方を調整できます。
アンケートの項目例です。
・ChatGPTやGeminiを使ったことがありますか?(はい/いいえ)
・普段の業務でパソコンをどの程度使いますか?(メール中心/Excel等も使う/ほぼ使わない)
・AIに対してどのような印象がありますか?(興味がある/不安がある/よく分からない)
このアンケート結果を研修会社に事前共有すれば、講師がペース配分や説明の深さを調整できます。シンプルブランドが選ばれている理由のひとつは、こうした事前のヒアリングに基づいて研修内容をカスタマイズしている点です。
準備④:「できなくても大丈夫」という空気を管理職がつくる
AI研修でついていけない社員が出る最大の原因は、実はスキルの差ではなく「できない自分を見せたくない」という心理です。
特に50代以上の社員やITに苦手意識がある社員は、周囲の目を気にして質問できず、分からないまま時間が過ぎてしまいます。
これを防ぐには、研修の前に管理職が「AIは初めてで当たり前。分からないことは質問して、全員で学ぶ場にしよう」と明確に伝えることが効果的です。
さらに言えば、管理職自身が先にAI研修を受けておくと、「部長もやってみたけど最初は全然分からなかったよ」と言えるようになります。この一言が、部下の心理的安全性を一気に高めます。
準備⑤:研修会社に「受講者の特徴」を事前に伝える
研修の効果を最大化するために最も大事な準備がこれです。
研修会社に以下の情報を伝えてください。
・参加者の年齢層と役職(例:40〜60代の管理職が中心)
・普段の業務内容(例:営業、総務、現場管理など)
・IT環境(例:社内PCはWindows、Wi-Fiあり、ChatGPTは制限なし)
・過去の研修経験(例:AI研修は初めて/前回の研修で一部ついていけない社員がいた)
・特に心配している点(例:ITに苦手意識がある社員が多い)
これだけの情報があれば、経験のある講師は説明の仕方、事例の選び方、ワークの難易度を的確に調整できます。
シンプルブランドでは、研修前に必ず20〜30分のヒアリングを行い、受講者の状況に合わせた研修プログラムを設計しています。「ウチの社員はITに弱いから心配」というご相談にも、これまで数多く対応してきました。
【チェックリスト】研修1週間前にやること
ここまでの5つの準備をチェックリストにまとめました。研修担当者の方は、1週間前までにこのリストを確認してください。
| タイミング | やること | 担当 |
|---|---|---|
| 2週間前 | 受講者に研修の目的・ゴール・「IT知識不要」を案内する | 研修担当者 |
| 1週間前 | 受講者のITスキルアンケートを実施し、結果を研修会社に共有する | 研修担当者 |
| 1週間前 | 使用するAIツールのアカウント登録・ログイン確認の手順を配布する | IT担当者 |
| 3日前 | 受講者全員がアカウント登録・ログインを完了したか確認する | IT担当者 |
| 前日 | 管理職から「できなくても大丈夫。全員で学ぶ場にしよう」とメッセージを出す | 管理職 |
| 前日 | Wi-Fi接続・プロジェクター・電源タップなど会場設備を最終確認する | 研修担当者 |
それでも不安な場合の追加対策
対策A:レベル別にグループを分ける
参加者が20名以上で、かつITスキルの差が大きい場合は、「入門グループ」と「活用グループ」の2段階に分けて実施することを検討してください。
入門グループはAIに初めて触れる方を対象に基礎と体験を中心に、活用グループはすでにAIを使ったことがある方を対象に業務での応用を中心に進めます。
同じ研修テーマでもレベルに応じた内容にカスタマイズできるかどうかは、研修会社を選ぶ際の重要な判断基準です。
対策B:研修中に「サポート役」を配置する
ハンズオン(操作体験型)の研修では、受講者がつまずいた時にすぐフォローできる社内のサポート役を1〜2名配置すると効果的です。
IT部門の社員や、普段からAIを使っている若手社員にお願いするだけで十分です。
講師が全体の説明を止めずに進行でき、つまずいた社員も周囲に迷惑をかけずにフォローしてもらえるため、双方にとってメリットがあります。
対策C:研修後に15分の「振り返りタイム」を設ける
研修の直後に「今日やったことで印象に残ったこと」「明日から使ってみたいこと」を隣の人と2〜3分共有する時間を設けるだけで、理解度の定着率が大幅に上がります。
これは特に、研修中に「分かったような、分からないような」と感じていた層に効きます。
人に話すことで自分の理解度が整理されるからです。
この振り返りの習慣は、研修後の定着にもつながる重要なステップです。
よくある質問(FAQ)
Q. 60代の社員が多いのですが、AI研修は難しくないですか?
問題ありません。シンプルブランドの研修は、初心者にも分かりやすいことが選ばれる理由のひとつです。実際に60代以上の方が多数参加される商工会議所や法人会での研修も多く実施しており、「今までで一番分かりやすかった」というお声もいただいています。年齢ではなく事前準備が研修の成否を左右します。
Q. パソコンがなくてもAI研修は受講できますか?
スマートフォンでも受講可能です。ChatGPTやGeminiにはスマホアプリがあるため、パソコンがなくても基本的な操作体験はできます。ただし、長文の入力や資料作成などの実践ワークにはパソコンのほうが適しているため、可能であればパソコンのご用意をおすすめします。
Q. 一部の社員だけ先にAI研修を受けさせるのはアリですか?
むしろおすすめです。管理職向けのAI研修を先に実施し、その後に一般社員向けの研修を行うのが最も効果的な順序です。先に受講した管理職が「やってみたけど意外と簡単だったよ」と伝えるだけで、一般社員の心理的ハードルが大きく下がります。
Q. 研修当日、Wi-Fiが不安定な場合はどうすればいいですか?
事前にWi-Fiの接続テスト(接続人数の負荷テストを含む)を行ってください。参加者が一斉にアクセスすると速度が落ちることがあります。不安な場合はモバイルWi-Fiの予備を2〜3台用意するか、テザリングが可能な環境を確認しておくと安心です。研修会社への事前相談の際にWi-Fi環境を伝えていただければ、講師側でも対応を検討します。
まとめ:「ついていけない」は研修の問題ではなく、準備の問題
AI研修についていけない社員が出る原因は、研修内容が難しいからではなく、研修前の準備が足りていないからです。
今回ご紹介した5つの事前準備を振り返ります。
①受講者に研修の目的・ゴール・「IT知識不要」を事前に伝える
②アカウント登録とアプリのインストールを研修前日までに完了させる
③受講者のITスキルレベルを簡単なアンケートで把握する
④管理職が「できなくても大丈夫」という空気をつくる
⑤研修会社に受講者の特徴を事前に共有する
どれも特別な費用やスキルは必要ありません。
研修担当者の「ひと手間」で、全員がついていける研修になります。
シンプルブランドでは、研修テーマの選定から研修前のヒアリング、当日の実施、研修後の定着支援(AI顧問)まで一貫して対応しています。
「初心者が多いけどAI研修を導入したい」
「前回の研修でついていけない社員がいた」
そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。
※ご相談・お見積もりは無料です。研修テーマが未定の段階でもお気軽にどうぞ。
